情熱についてのアフォリズム/銀馬車でこい
 
もっとも純粋な時間が
気温としての灼熱を超えはじめる
すでに熱した魂の最速

澄みきった事実の連続と
広がりつづける夢の持続の中で
胎動する情熱のはじまりは
あるまじき事件として
その次には 途方もない言葉として
すでに焼き焦がれた吐息の温度が
押しよせるだろう
いつも冷静な心の火傷のように

一瞬 古傷のように
疑われた疼きとしての
瞬きながら揺れる波動

熱く溶かされた情熱のあふれるような意味と
その上気した温度が 火照ってる
まるで滑らかにほとばしった汗の流れのように
語りだす未来の去就と
囁きだすだけの過去の残滓とのあいだ
激しく鼓動
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