マンドリン/もっぷ
 
かなしみの穴埋めをしてくれるかのように
君はマンドリンを弾いて唄う
曲は北国の冬の歌
さやかな雪のまばゆさが煌めく

君はふとマンドリンを置いて
場面は転じ
ちいさなホールだったはずが
緑ゆたかな大地の公苑

すぐに心配したのは
帰ることが出来るのだろうか
そのことだった

空が茜音になれば
わたしはいつでも帰りたい
異邦人のまま住み慣れてしまった町に


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