ボトルシップの夢/ヒヤシンス
けて、ゆっくり、静かに一服した。
横目で壜の中の勇者を覗くとすっかり船は濡れていた。しかしなんとか荒波をやり過ごしたようで、今はもう静かな大海原にぽっかり漂っていた。
あぁひどい目にあった。なんて水曜日だ。彼は僕に聞えるように叫んだ。
その声は少しくぐもってはいたが。
僕は彼に言った。大変だったね。しかし彼は少し微笑みながら言ったんだ。
俺は本物のカティーサークだぜ。
喫茶店の店内ではジョニ・ミッチェルのBLUEがしっとりと流れていた。
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