ただいまカラオケ中/梅昆布茶
ダミ声が響き疎らな拍手が起こる
ここはカラオケ酒場 僕の安っぽい人生だ 磨り減った歌詞を磨り減った人間が歌う
僕にはお似合いの場所 ここも例に洩れず高齢化が進んでいるが
今の老人はまあ元気だ
ど演歌では無くなかなか洒落た曲も彼らは知っている
彼らなんて言ってしまったが 僕だって同世代 ただ付き合ってる連中がちょっと若いだけだ
でも歌の詞のなかには時々ドキッとする言葉を見つけてしまう
俗っぽいと退けてしまうのでもなくなんとなく聴いている
でも彼等が盛り上がって楽しければ 歌詞なんてどうでもいいのかもしれない
僕だって2000\で飲み放題の焼酎で良い心持ちになっちまってるし
まあ月に一度ぐらいはね 良いのではないだろうか
と自分を納得させる どうせ
彼女でない彼女もいるし まあいいか
どうせ人生カラオケだ
空っぽの方が 気持ちがいいさ
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