青の断章/中川達矢
る、海に色を返す。夜の青空を裏返して青い夜空。
月が示す航路、空への道、遮る雲、雷を呼び、鋭く、光の道を地上に。ルナの休航、ジュピターの運航、女と男は別々の道を行く。光の道、雲と地上とを繋げるが、己を残さずに、ただ光る、光るばかり。雲の上、光は月を照らして、夜にぼやけた航路を描く、空からの道。
青の旋律が響き渡る、夜、繋がる、音。いつまでか青く、どこまでか青く、繋がる、夜、青の旋律によって、蛙、水に帰る。さいごの合唱、緑の旋律、交わる、青の旋律、水を渡り、色が繋がる、音。青の旋律はいつまでか響き渡る、夜、朝に帰る。水は、青の旋律を残して、緑の旋律を待つ。
青にはなれない青。見られることのない青。音になればいいと寄り添う光。光もまた、見せるだけの色。その姿を見ることができない。
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