その日暮らしの手帳/梅昆布茶
 
己憐憫の涙で自分を洗う事もなくなったし 静かに人生の次なる階段を実感したい
年老いたナルシスは 次代のナルシスにとってかわられるのだ

もう恋も遠い遠い世界だ くるものもさるものも蝿だって追わないものぐさだもの
でもときどきこっそりデートの約束やら 取り付けてくる 古強者ではあるが

最期に無常を観じて逝きたいとおもっている
誰にも看取られず 一人で空に還る 生まれた時も一人だったさ

ただもう孤独ではない そういう感傷がなくなった
そう 立派に親父として大成しているのかもしれない

我が子に言わせたらブーイングの嵐だろうが まあいいや
どうせ俺に似てるんだからな 可哀
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