引き潮/あとさき/
佐東
をなぞって
静かの海の渚で
ホシマネキの仕草を真似る
「ホシマネキ」
星のかたちの外骨格をもつ
雌雄同体の甲殻類
流星雨の音を求めて
夜の渚でないている
「白い花」
背中から
ひらかれてゆく
わたしの水平線
手渡された
夏への結び目を
ほどくきみの口もとで
白い花が ゆれている
わたし
その花の名前
知ってるの
う そ だ よ
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