小さな路地の先っちょに/
灰泥軽茶
閉じて流動する暗闇を見続けていると
私は鳥のようになって
この小さな町を自由に旋回して
どこまでもどこまでも飛んでゆけそうな気がするが
のっそりともくもく
いつもと変わらない気持ちで立ちつくす
小さな煙突だけがはっきりと目に飛びこんできて
急にとてもさみしくなり
一目散に目指して翻り翻り
淡い光の先に広がる
小さな路地を通り抜けて大きな道路へと出ていく
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