空梅雨に台風。/元親 ミッド
き毟り
世界の断末魔を聞け。
そうして僕は、地脈の龍が
緩やかな軋みをたてながら
音もなき怒りを蓄えるのを聞いて
ただ、ぞっとするしかできなかった。
翌日滅びの帳は突然に下りてきて
星の途絶えた夜
鼻の曲がりそうな臭いの濁流をもって
独りの男は夢の中で死んだ。
素数の出現にも、法則は有って
人はその答えがわからずにいたけれど
或る日突然にその正体を知った時には
もう遅い。
愕然とする夢物語に
人は否応もなく覚悟するしかないのだ。
覚悟せよ。
人というものの脆さを。
そして、死ぬることの意味と
死に華の散華するのを、とくと見るがいい。
戻る 編 削 Point(1)