空梅雨に台風。/元親 ミッド
 
き毟り

世界の断末魔を聞け。



そうして僕は、地脈の龍が

緩やかな軋みをたてながら

音もなき怒りを蓄えるのを聞いて

ただ、ぞっとするしかできなかった。



翌日滅びの帳は突然に下りてきて

星の途絶えた夜

鼻の曲がりそうな臭いの濁流をもって

独りの男は夢の中で死んだ。



素数の出現にも、法則は有って

人はその答えがわからずにいたけれど

或る日突然にその正体を知った時には

もう遅い。



愕然とする夢物語に

人は否応もなく覚悟するしかないのだ。



覚悟せよ。

人というものの脆さを。

そして、死ぬることの意味と

死に華の散華するのを、とくと見るがいい。
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