オムライスなんて大っ嫌いだっ/nonya
った
それがすべての終わりで始まりだった
それがさんせいのはんたいだった
冷蔵庫を漁るドロボウ猫が探し当てたのは
でっぷり太ったケチャップの容器だった
ケチャップのど真ん中に太マジックで
書いてあったのは見知らぬ男の名前だっ
どこからどう見ても
触っても
叩いても
なだめすかしても
紛れもなく正しいマイケチャップだっ
切れた
僕はマイケチャップの首根っこをつかむと
固太りの腹をぎゅうんと握り締め
シンクに
ぶちまけてやったんだっ
シンクを
血の海にしてやったんだっ
シンクに
捻じ曲がった見知らぬ男の名前を投げ捨てると
僕
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