いつか忘却/
もっぷ
遠のいた六歳の背丈からのまなざしはもう
わたしだけが知っていて
本当の潮風を忘れ
たやすく唄われる海の風景だけはいつまでも
地球はあおい星だから
その歌たちはたぶん続くのだと
確信している
いつか絶えるにしても
目にすることはないだろう
暦だけがのこりそれを
みる眼がヒトのものではなくなって
メルヘンもファンタジーも
村上春樹も要らなくなる、そんな時間
が流れてゆくのをみるのはわたしたちじゃないのに
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