恋と愛のあいだの何秒か/りゅうのあくび
 

小走りに公園を廻りはじめる
まるで幾粒かの水滴が
集まって川に注ぎ海に
たどり着く大きな流れのように
霧の中で夜の合唱が始まる

夜霧は公園を
優しく包んでいて
彼女にそっと口づけをする

小さな幸せは
休日の予定のあいだにあって
秒針が止まってしまった
壁時計をそっと見るときのように
彼女のことを自分のように想う
そして自分のことを彼女に預ける

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哀しいことだけれど
二人はいつか大人になって
同じ病気にかかってしまった
そう永遠のうちにどちらもが
生きられなくなる運命だろう
あとどれぐらい生
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