わたしの雨傘には/
もっぷ
梅雨に入ってやっと国が心に添ってきた
木の葉にも花花にもしずくが
わたしの心と同じように
窓ガラスにもほら
頬に伝うのはこれは雨
なみだじゃないよとやっと言える
空のあなたにいまこそ笑みを
絶やさずに向き合って
梅雨は優しいこの国の習慣
雨傘がすべてを許してくれるから
わたしの雨傘には穴がいっぱい
だから伝うんです頬に
雨が伝ってやまないんです
あなたにだけは笑みにみえるでしょう
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