間違えたかった魚/
もっぷ
アナログ時計の夕日が沈む頃
わたしにSOSが届く
しなやかな息継ぎが人人を魅了する
そんなクロールに憧れるだけの
泳げない魚は歎いて、ついに
陸に出て腹をみせて
跳ねて転がってそして
この五月に自分のための墓を掘るのだ
魚は忘れることが出来るだろうか
持って生まれた生い立ちを
まるでいつかは夜の涯てにて
祭りで売られる金魚が本望らしい
おや魚がみつけたようだ
わたしの部屋の程よい花器を
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