昭和ノート/メチターチェリ
 
いつつ、あぐらを組んで、あ、
あぐらをといて、気が変わってしまって歯をみがいてしまった。

今朝どうにも熱っぽいあたまと、からだをぶんだんして
あたまはおかしらに、からだはごしんたいに、それぞれ献上したから今夜はいい夢が見られる。

今朝「実はわれわれはいっせんこうねん前から存在しない光。実はわれわれは誕生以来ばくはつをつづける原子核融合の強い光。実はわれわれはわれわれという方角から来たひとくさりの青い強い光。実はわれわれ『といふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い(注:宮沢賢治『春と修羅』「序」より)』光。実はわれわれ赤青黄色の3原色です。実はわれわれ。われわれ。ワレワレハ。もうすぐトナーが切れる。インクカートリッジの回収にご協力ください」という夢を見て、怖くなった私は藁半紙に立ち返り、今この手紙を書いている。

もうじき夜が明けようとしている。大地の向こう、水平線から昇った光が世界を照らす。なんと壮大なことだらう。
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