紫時計/
もっぷ
多摩川にて貸しボートに
ゆられるともなく
空いたコカ・コーラの缶は
転がるにまかせ
ふとここを
佐渡の流刑地だと思ってみることにする
みやこわすれに導かれたか
さきほどみたあの紫がよみがえる
時間(とき)を憂えるのはいつも人間
花も樹もそして草も
時計を望んだことはない
廻れば咲き寿命を歎かず
名づけられることすら知らず
なぜと問わずにそよぐだけ
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