青い鳥/アラガイs
が暗い足下を揺らしながら歩いている。
彼女は普段から汚い汚いと罵られていた。
その日うすく抜けおちた竹箒と汚い言葉でUに小突かれていたときも
口を切り包帯をしたK子が、翌日仕事を休んだ母親を伴い学校へ現れたときにも
教室の空気は雪崩に埋まった倒木のように、僕らは平然と何も変わらない態度で二人の様子を眺めていた 。
あれからUも体育の授業で教師にこっぴどく叱られ、何時間も雪の降る校庭の門の脇でずっと正座をさせられた 。
下級生たちが横目使いにUの前を通り過ぎるとき
、猿のようなUの浅黒い顔が大粒の涙でよけいくしゃくしゃに歪んで見えた 。
あの日からUは人が変わった。口数も態度も
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