条令「第07219号/アラガイs
 
イが着ていた赤茶けたジャケット。あの後ろから見たときの2つの盛り上がりが、アタマの中に浮かんで消えないんだ 。
彼女の大きく半分に割れた2つの窪みの底に、はじめてこの目で太陽のまわりを追いかけたときのような興奮が、僕の古い細胞から甦り沸きだしてきたんだと思う 。粘る液体を掬いとって宇宙に放り投げたら白い泡の粒が一面に舞って……ほら、土星に降りそそぐ氷の結晶のように…とても綺麗だった。

「あの刺激、あの感覚が…まさか第07219号に該当する性的なモノとはきみだって思いたくもないだろ?」
まるで煤けたアルミニウムの顔色でジムはしばらく考えてからそう言った。目頭は真っ赤に腫れ上がり、すでに
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