リー・レイ/相馬四弦
 
あのつぎはぎ人形は

ずっと引き摺られながら

猫の爪痕 泥 恥ずかしい中身がこぼれる

磨り減ってゆくのか この空の下で ぼろぼろに

ほつれる右足

十字交差の中心に置き去りにされて

エナメルの瞳に青信号が反射する

巨大な車輪に踏み拉かれて 千切れて千切れて

排気に舞い上がる一本の赤い毛糸

右へ左へ ひらひらゆれ落ちる

主人の名を呼べ

街の鏡面で増幅された二拍子が

おまえを焼き尽くしてしまう前に







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