使者 (充電池切れの為に)/アラガイs
だよう。燐の熱を帯び危うさを醸し出すのだ。いつもの決まり事のように。
若い母子連れの後ろにそっと控えた 。
女の子は男の方を見つめては目が合うとまた母親の横に隠れる。
その度に女の子は小さな両手をいっぱいに拡げて母親の腰にすがり付いた。
(僕は気がぶれているのか?)
子供の神経は獣だ。何か異様な気配を感じているのだろう
若者が店を出て行くと母親のやわらかな胸が緊張で強張った。
引き連れているものが何なのか彼にはほとんど理解できていた。
思いつめれば自分だけが苦しんでいるような気さえしていた。
できるだけ宇宙の事だけを考えるようにしようか
現実的には途切れることのないセッ
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