自然と××を笑う/アラガイs
!「タッチダウンゴール!」!
そう言うと、この小さな動物は太い幹のエサに飛びついた 。
手にしたときの崩れた笑顔はサクランボのようだった 。
笑うのに理由がいるだろうか。校庭の隅で始まる体育の授業は手旗信号を整えることから始まる。必ずひとりはおっちょこちょいな奴がいるものだから、同じ箇所をいつも同じリズムで間違うのは理屈抜きにみてもおもしろかった 。
国語の授業になると居眠りをしては呼びすてられていた奴は、今頃どうしているのだろう 。
なんとなく指されるのがわかっていながら、わざと居眠りをしていたへそ曲がり。笑わせて何を得たのか 。
そんな風景も二度とよみがえってはこない
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