反物質/ドクダミ五十号
 
質は

生まれながらに

逆の時間にある

見える訳が無い


どうして観察できようか

対にあるものが



時折



真空から

生じたり

消滅したりが

観測されるのは


時間次元の

はざまだからだ


我々は時間を逆行出来ない

それは光の速度を超えられないから

正の物質が

正の質量をもって

質量の罠を有しているから


だから過去には行けない

いくら夢想しても


無限大と

無限小は

明日に生きよと

言っている


三次元に課せられた

課題なのだ


反物質は今日も

生まれて

いる

認識の領域のはざまで
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