苦いもの/
世江
いい加減、うんざりだ。
“ちょっと、出てくる”
“早く、戻ってきてね…?”
“当たり前”
嘘
そんなつもり、微塵もない。
それが分かっているのか、言及するわけでもない。
これが、あんたの弱さだって知ってるのに、
ずるいのは私で、あんたじゃない
あの頃も、分かってた。
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