いつも君だけが正しい。/瓜田タカヤ
 
るさくして
 ピンガ起きちゃうんだよ。」といった。

買ったままホルダーに刺さりっぱなしの冷めたコーヒーを少し飲んで
「パパいつでもカイリと遊んであげられるんだからね。」と言った。

青森の理不尽な冷たい風が、水色のトレーナー内隙間から入り込んでくる。
窓が開け放たれた車内のまま、家路までタイヤを滑らせた。

俺は知っている。
常にぴったりの箱のサイズが無いことを。
それは既存のもので当てはめることが出来ないことを。

自分で作り出した空間を埋めるものは
自分で作り出した箱でなければならないのだ。

無いものは探さない。
作り出せばいいんだ。

いつも
君だけが正しい。
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