明日のこころだ/yo-yo
 
ubeなら今でもじっくり聴くことができる。多芸多才な話芸の名人の、歯切れのよい声を聴いているだけで、風邪ひきの苦しさなど忘れてしまえる。心地よい水が、こんどは耳から入ってくるのだ。

古い落語家の、古今亭志ん生のことを語っている。
その語り口には、余人に真似のできない妙味があったという。まるで思い出しながらやってるような話し方で、話はとびとびで、へぇとかはぁとか言葉にならない変な言葉が入る。いま初めて考えて、いま初めて口に出したようにやる。何回おなじ話を聞いても、言葉が出来たてなんですね、そこがすばらしいという。
出来たての言葉なんて、ほんとにうらやましい。

へぇとかはぁとか、そんな
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