暁の部族/梅昆布茶
 
雲がちぎれて流れる

風はある気配をはらんでいる

君の瞳の中にある感情

配置とバランスが変わってゆく

静かなダイナミズムをもってものごとが動いてゆく


遠くで闇が切り裂かれる

またひとつ誰かのこころがもれおちて絶叫する


生態系のうたがこだまする森に

生命の朝のたかまりのように

震えるものを追い続け


アンモナイトやそれに付随した僕たちの愛

戦いのなかで成長するしかないんだ


だから僕らに名前をつけないでくれ

僕たちは暁の部族なのだから


ただ雲と空からだけ

名前をもらえるのだから





戻る   Point(15)