おてがみ/
ドクダミ五十号
蒸して 潰して
強力粉と 塩を加え
こねて 切って 丸めて
フォークの背で つぶす
茹でてザルに上げるまで
なんだか切なかったよ
今では西洋スイトンに成り果て
愛らしかったころころりんは
ソースの海で泳いでいる
ロールキャベツや付け合せと一緒に
君の肖像は画鋲で貼っておいたよ
忘れない様にね
舌触りはつるりと 噛めばもちもちと
官能的なのは 私に対する最後の抗議かな
きちんと食べましたは 言い訳だよね
馬鈴薯君へ 私より
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