1/2668人/月乃助
 
誘われ うばわれた
夜毎 理由を問うては、
星のつぶやきを 闇に聞いた
ひざをかかえ 波のその意志にまかせ


 きっと、母は
いつものように コタツで僕の帰りを待っている
時のとまった部屋は、時計の音もやんだまま


 あの町で僕は、
ポケットにたくさんの夢らしきものをつめ
自販機にそれを 押し込めては、
あふれる清涼飲料水の甘さが、のどを落ちていくのを
楽しんでいた


あの町は、まだあるのかしら、


 神の子に
わずかな罪深き人のなせるすべは、
民族のすべてが、未来永劫の罰か
焼印をおされた 歴史にもにた


だれもが 理由をもとめ

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