Please Mr. Postman/山田せばすちゃん
 
まだ駄目ですと封筒をつき返した

仕方がないので封筒を開けて
夕べ君がなくしてしまったと大騒ぎしていた
パールのピアスのかたっぽが
ベッドの枕に下から出てきたのを取り出す
局員はもう一度手紙をはかりに載せて
まだ駄目ですと封筒をつき返した

あの、郵便物のはかりなら
窓口の外にもありますから
ちゃんと料金どおりになったら
受け付けますからいいですかと
局員は片手であくびの大口を抑えて
もう片手で窓口のシャッターを下ろして
蛍光灯の明かりがこうこうと差す
深夜の郵便局の受付ロビーに
僕は独りぼっちにされて
君への手紙を持って途方にくれている

仕方がないので封
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