恋を抱きしめよう/梅昆布茶
 
君は望遠鏡や顕微鏡を造る僕の会社の設計室に勤めていた

僕はある日君に恋した

それはけっこう素敵なことだった

会社の裏の独身寮のそばに総務の峯岸さんの貰ってきた柴犬の仔が三匹

彼女は大の犬好きで僕たちは犬をかまって遊んだり卓球をしたり

仲間達とのみにいったりした

若かった


峯岸さんも彼女を好きだったみたいだが

僕が彼女を獲得した

それは良いことだったのだろう

いずれ別れることになろうとも


僕は地元の星の倶楽部に入って

秩父高原牧場の中に皆で天文台を造った

楽しい仲間達と流星群が僕の人生を照らしていた



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