誰も幸福を奪ってはいけない/梅昆布茶
 
て結論を出したらしい
4月から子供達と一緒にくらすと

次女の桃香ちゃんは決まっていつもかれに抱っこなのだが
くすぐったいけれども気持ちが嬉しかったいう

だってかれがかえるとき時すねるらしいのだ
実子は男3にんでもう成人しているが親父には寄り付きもしない
だから女の子の愛らしさが眩しかったらしい


ただ本当は彼らの母親を愛してはいなかった

蓋を開けてみるとすれっからしの貧しいこころの醜い女であったこと
様々な論理の綻びが見え始めて

黒鷺に咥えられた子供達の悲鳴がよぎる
でもどうしようも無いのだ
彼らは親を選べない

かれは祈った
彼らの母が自分の黒さに気づく様に
それしか彼女の救いないことに気づく様にってね

かれには祈り願うことしか残されていなかった

だって

子ども達との別れが世界を覆っていたのだもの




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