ギター弾きの想い人/まーつん
どこか
ちゃっかりしていて
世間から ずれた連中なんだ
俺も そんな奴らの
一人になりたかった
苦い痛みを
甘い旋律に置き換え
それを耳にした
通りすがりが立ち止り
目的地を忘てしまうような
音の錬金術師に
人々が喜んで
傘を投げ捨て
ずぶ濡れになり
踊り始めるような
音の雨雲を呼び寄せる
雨乞い師に
フレットを行き来する
この指先の愛撫に応えて
俺のテレキャスターは
固い木の体を震わせる
すると
世界がそれに共鳴する
ボトル
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