不幸を背負いながら/wako
 
はずもない
    キラキラチカチカ光の海で
    おびえた愛は溺死寸前
       日が昇る頃には精魂果てて
       朝もやの中に突っ伏すのが関の山 

      ?

どこ、どこ、どこ
札つきの
おたずね者の愛はどこ?

不毛の日々に息絶えたのか
生き馬の目を抜く時世におののいたのか

まるで不安定な元素の様に
手にするそばから消えていく
餓鬼の様に飢餓の日々
恨み言の渦に巻き込まれて
視線は彷徨い定まらず
遠くで光がまたたいても
誘蛾灯と灯台の光さえ
見分けがつかなくなる始末
    破滅の光か
    導きの光か
    それともただの幻か
行きつ戻りつ日々悩み
そんなこんなで老いていく
そして
遅ればせながら薄々気づく

きっと愛は
何食わぬ顔をして
日々のど真ん中に鎮座しているのだろう
あたり前すぎて
あまりにもあたり前すぎて
誰にも気にとめられない不幸を背負いながら

例えば
すり切れたぬいぐるみを抱いて
眠りこける幼子
その子にそそがれる眼差しと祈り

例えば
戻る   Point(6)