頭痛の花/よしたか
 


頭痛の種を咲かせるんじゃない
信号機と足場を失った人の念のこもった言葉が
裏口近くの腐葉土に
どんよりと吸い込まれていく
禍々しい太陽を天に見届ける
目にいれるものは選べる
動けば景色も動く
世話を焼いているクッキー工場ではない
果たして頭痛をしているのは僕かあなたか
これすらハッキリと区別がつかない

物陰に見たことのある憂鬱なシルエット
あの不穏な写真の現像化
なみなみと水をそそぐんじゃないよ
暗く呼応したまらずに花開くんじゃない
絡まった蝶の脳が顔をだすほど頭を掻く
こいつメキメキと育つものだから

勢ぞろいした言葉の甲斐もなく
続々と押し出され
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