夢と魔法の君/よしたか
 
また手をあげて、包帯の加護をうけた手をあげて
必要か必要じゃないかは必要ない
君へ語りかけて君に語られたね
君と語りあって君と静かになったね

ほぐれた無言の土に 二人の言葉を咲かせた
二人の言葉の前に 燃える桜と出会う窓を開いた
燃える桜と出会う窓の風に 安心した凶器を投げた
安心した凶器の涙に 編み込んだ星空をあてた
編み込んだ星空の中 驚くべき呼吸を響かせた

足音
二人の二人にまつわる
いろいろの足音
みんな みんな
水中で溺れそうな人の泡のように立ちのぼる

夢のよう 彼女は笑ったんだ 僕も笑った
オーバーな心臓みたいに
いつか たくましい笑顔のネズミも涙するように



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