北の亡者/Again 2013如月/たま
約束
した予定ではなかったから、ことなきを得たが、
気づいたときにはもう、日曜日はどこにもなくて
ちょっと、へこんだ。
十六日には朗読会の予定があって、土曜日だった
けれど、会社は営業日だから有給をとって、車で
一時間ちょっと走って、道に迷って、ようやく、
現地に着いたら、朗読会場の喫茶店が閉まってて、
もういちど案内状を確かめたら、
あらっ、三月十六日かぁ……って、呆れたばかり
だったのに。
書くものが何もなくなってからが、ほんとうの創
作だと、或る作家がいう。小説の場合はたしかに
そうも言えるだろう。では、詩作の場合はどうだ
ろうか。たぶん、いつも何もない状態だ
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