薄緑のバタフライナイフ/よしたか
 
た最愛がイカロスを設計し始める
薄緑のバタフライナイフの行方を

銀杏の木を不透明の骸骨たちがゆすぶって

泣きわめく若葉が笑いながら落ちてくる

俺は影法師の第2ボタンをひきちぎった

君はそれを愛だといって

あなたはそれを憎しみだといって

一斉に喋るから「人間!」としか聞こえない

絶息の野を歩くくたびれたフリルの社会人

どうしようもない空き地をわかったうえでの花畑で

鏡に誰かの夢のような現実を見るけど

極論と正論から弾かれた手垢がなんとなく舞い降りるね



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