唾を呑む音から物語りは終わる/朝焼彩茜色
 
唾を呑むサウンドがトランペットの吹く空気に触れる
一寸先の昼間の終わる頃
己の残像が赤道をつたい一周する

あらかじめ光速を蓄えておく

物語の奥深く数字に置き換えられない おおざっぱな荒野

唾を呑む虫の音がドラミングの胸を貸す
テリトリーを消去した隠滅に瞳を流す
己の過ちを置き去りに

あらかじめ意味深を漂わせ それを風に預けて

物語のくしゃみが無くなるまで 走りぬける おおざっぱな荒野を

 
 逃げ方を走り方に変化させ 腕を振る
 唾を呑まずにすむ 深呼吸をスースー

 ハーハー

 中途半端過ぎる半ばを越した頃
 おおざっぱな荒野にくしを入
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