唾を呑む音から物語りは終わる/朝焼彩茜色
唾を呑むサウンドがトランペットの吹く空気に触れる
一寸先の昼間の終わる頃
己の残像が赤道をつたい一周する
あらかじめ光速を蓄えておく
物語の奥深く数字に置き換えられない おおざっぱな荒野
唾を呑む虫の音がドラミングの胸を貸す
テリトリーを消去した隠滅に瞳を流す
己の過ちを置き去りに
あらかじめ意味深を漂わせ それを風に預けて
物語のくしゃみが無くなるまで 走りぬける おおざっぱな荒野を
逃げ方を走り方に変化させ 腕を振る
唾を呑まずにすむ 深呼吸をスースー
ハーハー
中途半端過ぎる半ばを越した頃
おおざっぱな荒野にくしを入
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)