次元の詩/梅昆布茶
 
0次元

面積を持たない点は哀しくて
あられのようにパラパラと降りそそぐだろう
なんのうえに

1次元

線虫となった哀しみはのたうちまわって
それでも面積を持てない

2次元

厚みのない平板な草原に
哀しみの馬がかけまわる
名前の無い馬

3次元

凍結した立体のなかで

恋をしていた
今しかなかった僕のように


4次元

やっとセピア色の想い出が
動き始める

雲が流れて風をよぶ
微かに音楽も流れている

君が踊り始める
時間の舞いといううやつかもしれない

そこに数理学者が忍び寄ってささやく
それはミンコフキー理論
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