足りないもの/梅昆布茶
人生は足りないものばかりだが
僕はどこで誰に足りなくなるのだろう
人生は余るものもあるのだが
誰があまるんだろう
あまるものなんて無いはずなのに
軟体動物が線虫がそして僕が
てらてらとした軌跡で歩むことを赦す世界は優しい
僕はピタピタ着く小さな吸盤で
三丁目のタコに所属しているが
人生はラフティング
アメイジング
ダウジング
水脈はよけいな回路を経て
僕たちが指をおる前に
君は年老いてゆく
僕だってちっとも成長しないまま
崩壊しているんだ
僕たちは悲鳴をあげながら静かに老いてゆく
くちばしを尖らしてばかりの人生なんて
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)