涙の落ちるところ/木屋 亞万
 

その身体をすすぐのだ

やがて根に落ち着く
君の海の一滴が
その草葉に染み渡り
春には青い花を咲かせる



君の海の水を肺にがばがばと溜めて
生れ落ちる半分私で半分君の命が
うらやましくてたまらない
君の海をその身に蓄え
身体のど真ん中に陣取って
中心と中心を管で繋いでいる
どうあがいても自然な形でつながり切れなかった
一時的な私たちの接続を笑うように
自然な形で生まれ出る
子どもが最初に泣くときに
涙が落ちるこの腕は
強くやさしい海でありたい

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