羅列/川上凌
 
いろいろな詩と出会った

教科書にのっている詩も有名な詩人の書いた詩も
どれもこれも全て
分かりやすくて心に留まるものだった

難しい言葉を並べるだけの詩は
簡単であると同時に
言葉さえ知っていれば誰でも産めるものだった

陽だまりのなかでばあちゃんが言った
心に留まる詩はまだ産めない


誰かの心に留まるように言葉の羅列を
わたしの身体中から必死で拾い集めて
言葉を紡ぐ

いつかじぶんの為にある詩ではなく
だれかの為だといえる詩を書くために




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