羅列/川上凌
 


難しい言葉を並べるのだけが詩ではない
と陽だまりに抱かれたばあちゃんが言った

ちょうど春の終わり頃
小学校で書いた詩を先生に褒められたあとだった

知っている言葉をずらずらと
それらしく並べただけの
今思えば陳腐な感じの詩であった

またその頃
知っている言葉をずらずらと並べれば
大人はそれなりに褒めることも知っていた

いわばどれだけ分かりやすく
相手の心に留めるかが 勝負なのだ、とも
ばあちゃんは言った

やってみればそれは
難しい言葉を並べるよりも
遥かに難しいことである

またそんな詩を書けるようになりたいと
思っているうちに
いろ
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