春の女神/ドクダミ五十号
 



憧れる対象は神格化されて

そぞろ歩きの視点の先が

固く寒さを耐えて

一枚

また一枚と

開くを待つ蕾に


わたくしが男性を持つが故に

女神であるが

人それぞれに化身はあってよい

描き出すそれが

微笑んでいるのは

春と云う希望の表現です


ルーナは狩人の守護者として

天空に強く輝き

強き狩人の足元の

うさぎを観て

次なる獲物である牡牛に

幾らかの同情を覚え

恐ろしいサソリを彼の頭上に置いた


それとは知らぬ春は

優しい心のままに

今日も固くなな

蕾を撫でて廻るのです

いとしいものよと

語りかけながら
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