ポイントいりません(音声で表示されていく地図たちがひろがって)/モリマサ公
細胞みるのと
シャトルの窓から砂漠みるのとが似てるみたく
質量をかえて輪郭をつなげて
分解されながら違う形になってつづいていく
ビビットで醒めないピースフルなメッセージが
それぞれの年代や言語で変換されて
度重なる家庭の事情がいっせいに草原の草のようにそよぎだし
吹いている風すら自分の責任?みたく思い込むこどもたちの群れが
光の中を走っている
そっかーこのことだったんだー
うでをのばしてばらばらに
逆光のなかに
飛びたっていく
孤独な太陽の下でどんな細い枝にも付着するパウダー
まじりけのない灰いろのスノー
わたしたちのまぶたがリアルに裏返りはじめる
高速で乱舞する蝶々
その記憶から
すべての羽をなぜか
無限にむしりとり
内側からあなだらけになり
輪郭だけは
すでに
急速にまっすぐに
落下していく
なんだろうこのつまさきの浮遊感
なんだろう
なんだろうこの失われていく感覚
なんだろう
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