空がわらった/
佐藤伊織
いつか空が大笑いして
わたしを吸い取ってくれるといいね
しわくちゃになった空の歯の隙間に
挟まって
カクカクとゆれるわたしの両足
15時の道ばたには
もう子供もいないから
突風に吹き飛んでいく
青空が
ぐんぐんと雲を押し流して行く
真っ青な大気は
向こう側を見えなくして
いつかくる
夕日を
覆い隠す
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