歴史という名のはるか/もっぷ
 
三丁目が壊れてゆく
西から南西にかけて壊れてゆく
止めるすべはない
時代は崩壊に味方している

ツリーはごく近い市井にはみえずに
遠くから客を招くに余念がない
そういえば花火だ
なんとかリゾートの
音だけはおすそ分けされている
だけど首都高の
時代遅れの暴走族たちのほうが
はるかにまっとうだと思っちゃ
いけないかい

三丁目が壊れてゆく
止めるすべはない
誰が決めたか、
じゃないんだ
これは錆びついた時計
が決定した
意志で
担当者はハンコを押しただけ

ヒトの都合を決めるのはいつだって
歴史という名の悠だ

三丁目が
壊れて
ゆく

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