午前四時/もっぷ
 
明るまない窓の外をみながら
早すぎた目覚めに舌打ちをする

一月の午前四時

常識を忘れた空腹が訪れるが
理性はそれを満たさないことを選ぶ

代わりに水を一杯手許に置いて

グラスが空気をただしく読んでいる
ことがとても嬉しい

鳥目の翼たちの声も聞こえないし
きょうは凪いでいる
電線がびゅうびゅうと泣かないで
いることがかえってわたしに
いつかの夜にはとても怖かったことを
思い出させている

お隣の住人の好きなテレビ番組が
相変わらず不明のままに
朝はやってくるのだろうビルの
しん、とした
はざかいの時間が
流浪している

永遠のように

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