育てる事に疑問を持たない/ドクダミ五十号

托卵と云う習性がありまして
無責任と人間の倫理からすれば思われる
然し
命の巡りとしては全うで
巣の兄弟を蹴り落としても
親は咎めたりしないのです
どういう訳か
美しい声で深夜くらいに鳴きます
忍び音と称されるのですが
何を偲んで鳴くのでしょうか?
所謂「捨て子」のわたくしには
勝手な妄想として罪の独白と聞こえるのです
何の罪かを述べるならば
無為の故の殺生と
純粋なる愛との相克としての
自然と申し上げます
人間の知性など
遠く
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