育てる事に疑問を持たない/ドクダミ五十号
 



 托卵と云う習性がありまして

無責任と人間の倫理からすれば思われる

然し

命の巡りとしては全うで

巣の兄弟を蹴り落としても

親は咎めたりしないのです


 どういう訳か

美しい声で深夜くらいに鳴きます

忍び音と称されるのですが

何を偲んで鳴くのでしょうか?


 所謂「捨て子」のわたくしには

勝手な妄想として罪の独白と聞こえるのです

何の罪かを述べるならば

無為の故の殺生と

純粋なる愛との相克としての

自然と申し上げます


 人間の知性など

遠く
[次のページ]
戻る   Point(4)