イブの街で/HAL
あれからもう何年の月日が経ったのだろう
昨夜 昔の約束事のように深夜0時に掛かってきた電話
そしていまクリスマス・イブの雑踏のなかでぼくはきみを待つ
やがて遠くからでも分かる背の高いきみと小さなこどもの姿
懐かしさもあり後悔も少し芽生えるぼくを見つけ
こどもの手をしっかりと握りしめながらやってくるきみ
やあと声を掛けてもきみの表情は凍ばったまま
結婚したんだねの問いにもきみは頷くだけ
お互いの小さな声を邪魔するかのように
どこからも流れてくるクリスマス・ソング
ぼくはビーチ・ボーイズのクリスマス・アルバムが好きだったけど
クリスマスにビーチ・ボーイズはおか
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